企業の社会貢献で子どもに体験を:形と決めること

企業が社会貢献(CSR)として子どもに体験を提供する形は、公開されている事例を見ると、おおよそ次の4つに分かれます。

  1. 工場・事業所の見学や体験(自社の現場に子どもを招く)
  2. 職業体験(複数の企業が集まって仕事を体験してもらう)
  3. ゲーム・ICTの体験(プログラミングやゲーム開発をやってみる)
  4. 自社の施設を使った教育プログラム

この記事では、それぞれの公開事例と、国の表彰の審査委員が講評で挙げた観点から、企画のときに決めることを整理します。費用を公表している企業は見つからなかったため、費用については最後に触れます。

重点分野を決めている企業の約7割が「次世代育成」を挙げる

経団連が2025年1月に公表した調査(回答153社)では、社会貢献活動の重点分野を設定している企業は136社でした。その136社のうち「次世代育成」を挙げた企業は94件(69%)、「教育、学術・科学技術振興」は63件(46%)でした。

社会貢献活動の重点分野・領域は、「環境」(88%)が最も多く、「次世代育成」(69%)、「地域コミュニティ」(68%)が続く。

(経団連「社会貢献活動に関するアンケート」結果)

この調査には、子ども向けの活動をしている企業の割合そのものは載っていません。分かるのは、重点分野を決めている企業のうち、次世代育成を挙げた企業が約7割あることまでです(回答153社全体では約6割)。

公開されている事例

形企業公開されている内容
工場見学加藤製作所(2025年8月)工場見学とクレーン試乗。地元の小学生16名、9:30〜11:00
工場見学ダイキョーニシカワ(2024年6月)見学コースに子ども向けの体験ブースを新設。小5・6年生、約90分、参加費無料、最大40名
職業体験大同生命(2025年10月)宮城県内の企業22社が協力する、小学生向けの職業体験。無料・事前予約制
ゲーム・ICTNTT東日本(2023年8月)学童の小学生向けにゲーム開発体験。児童17名、50分×2部。講師は地元の学生プログラマー
自社施設大和ハウス工業(奈良。共同通信PRワイヤー)自社の研修施設を使い、小学生向けの講座を計22回、のべ667名

どの事例も、公表されているのは参加人数・時間・無料かどうかまでです。事業費や委託費を載せているものはありませんでした。

マイクラを使った企業の例

NECグループは、社員有志のコミュニティ「NECプロボノ倶楽部」などを通じて、マイクラ(教育版マインクラフト)のワークショップを開いています。

年内容規模
2025年7月NECソリューションイノベータの本社ビルで、小学4〜6年生と保護者が電力の循環する世界をつくる定員は親子ペア30組60名、抽選、参加無料
2026年7月NECの事業場で、小学生と保護者が「100年つづく家」をつくる。体験の機会が少ない子ども5名を、フローレンスの「こども冒険バンク」を通じて招待29組58名

2026年の回では、参加者の83%が「プログラミングをもっと学びたい」と回答したと公表されています。

何を決めるか:国の表彰の審査委員が挙げた観点

文部科学省は、青少年の体験活動に優れた取組を行う企業を表彰する「いーたいけんアワード」を行っています。応募は令和6年度が64件、令和7年度が63件でした。令和7年度の審査委員の1人は、講評に、検討した観点を次のように書いています。

「社会貢献の取組」「教育的配慮」「本業との関連性」「地域社会やステークホルダーとの関連性」「社内理解への配慮」「新規性・発展性」という多角的な観点から検討いたしました。

(文部科学省 令和7年度 審査委員講評・野口和行氏)

これは審査委員個人の講評で、文部科学省の公式な基準ではありません。ただ、この6つは、企画を考える順番としても使えます。

観点企画で決めること
社会貢献の取組誰に届けるか。体験の機会が少ない子どもを招くか(NECの2026年の回は5名を招待)
教育的配慮何を学べる体験にするか。対象学年、時間、人数
本業との関連性自社の現場や技術を見せるか、別の題材にするか
地域社会との関連性地元の学校・教育委員会・自治体と組むか(加藤製作所は町の教育委員会と連携)
社内理解への配慮社員がどこまで関わるか(NECは社員有志が主催)
新規性・発展性毎年続けるか。次の年に何を変えるか

運営を任せる形

公開事例では、運営を外部に任せる、または外部と組む形が目立ちました。

  • 運営協力に専門の事業者を置く(大同生命)
  • 学生・自治体・NPOと組む(NTT東日本、NEC)
  • 地域の教育委員会・団体と組む(加藤製作所)

マイクラの体験は、端末の数が同時に遊べる人数になります。会場と電源、通信環境を用意できれば、本社ビルや研修施設でも開けます。

費用について

今回確認した事例で、企業が支払った事業費や委託費を公表しているものは1件もありませんでした。公表されていたのは「参加費無料」までです。費用の目安を知りたい場合は、依頼先に見積りを取るのが現実的です。

マイクラブースに頼む場合

マイクラブース(株式会社セカンドラボ)は、地図・3D都市モデル・現地の写真をもとに、施設や町をマイクラの中に再現し、体験ブースや講座として運営します。企業であれば、本社や工場、事業所の周りの街並みを再現したワールドを使う形も相談できます。

本社ビルの会議室で、親子がマイクラの体験に取り組むイラスト

頼むもの目安(税別)
施設や狭い範囲を再現したワールド30万円〜
当日の運営(スタッフ3名・同時に体験5名まで)1日25万円〜

表示の金額は目安です。内容・規模・ご予算に応じてご相談ください。

まとめ

  • 企業が社会貢献として子どもに体験を提供する形は、工場見学・職業体験・ゲーム/ICT・自社施設の4つが公開事例に見られる
  • 企画で決めることは、国の表彰の審査委員が挙げた6つの観点(誰に・何を学ぶか・本業との関連・地域・社内・継続)で整理できる
  • 公開されているのは人数・時間・無料かどうかまで。費用を公表している事例は見つからなかった

企業での使い方は企業のイベントで使うに、16社の例はマイクラを企業で使う:広報・CSRの16社の例にまとめています。まずは無料でご相談ください。

この記事は、マイクラブース(運営:株式会社セカンドラボ)が書いています。公式の資料・公開されている情報と、私たちが行った講座・体験ブースの記録をもとにしています。

※ 2026年10月20日時点の内容です。制度や価格は変わることがあるため、最新の情報は各公式サイトでご確認ください。

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